エッセイ漫画「火葬場で働く僕の日常」 下駄華緒

読書記録★

最期の火を灯す者

「火葬場奇談」のYouTubeチャンネルで話題の下駄華緒さん原案、漫画は蓮古田二郎さんが描かれています。

2023年1月時点で2巻発行。

主人公は原案者と同じ名前の下駄華緒、火葬場で働く社員。その周りを取り囲む先輩方や後輩とのやりとりを通して、普段人の目には触れない火葬場の舞台裏、奇談を赤裸々に告白。

蓮古田さんの絵のタッチがかわいらしい&コメディ要素たっぷり&恋愛をちょい足し。おかげでだいぶ読みやすく描かれているのだと思いますが・・・それでも夜読むと眠れなくなりますよ・・・。

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死亡診断書がないと火葬ができない

医者に死亡診断されて初めて火葬ができる・・・。

変死、事件の被害者を問わず、災害死、孤独死、自宅死・・・誰にでも起こりうる事。

遺族が検視に反対しても法律で決まっている。

検視をせず、葬儀の段取りができる、火葬ができる、幸せなことなんですね。

火葬場ではどんな人も受け入れる

人間の死は平等に訪れる、

だから明らかに抗争後の方々が来ても「暴力団関係者立ち入りお断り」はしない。

感染症で亡くなった人、膨らんだ水死体、赤ちゃん、身寄りのない人・・・

どんなご遺体にも対応するスキル、心構えで向き合う火葬場職員。

苦労は想像できない・・・。

遺族のもめごとには注意を払っている

遺族間といえど、とても悲しんでいるグループと冷ややかなグループに分かれていたりすることがあるらしい。時には遺骨をめぐってあからさまに揉める時も。

火葬場職員はそういった遺族間の揉め事をきちんと見ているんですね。トラブルに速やかに対応するために。

何というか、親族だから余計に揉めるんでしょうか。

でも目の前で送り届ける時くらいは穏やかな気持ちでいたいですね。

誰もが最期立ち寄る場所

読んでほしい、元気に生きている今、みんなに読んで欲しい作品です。

いつ、自分が死ぬかもわからない、

誰もが最期に立ち寄って、見送ってもらえる場所。

その火葬場で働く人々の苦労を少しでも知ることができて感謝しています。

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