学生時代、彼氏に振られたショックで
1週間で5キロ体重が落ちた。
まばたきをしていたのか、それさえもわからないくらい
ただ呆然として
私は “食べる” という自然なことができなくなった。
体重が落ちたことでスタイルが良くなったと錯覚し、
どんどん食に対して厳しくなった。
“受け入れて欲しい”
振られて自己肯定感が落ちて、
とにかく私は承認の欲を求めたのだ。
「姉ちゃん、食べなよ」
弟が差し出してくれた ”たけのこの里1粒” 私は悩んだ末に食べなかった。
基本食べない。食べたら吐く。身体が食べ物を求めるから結局食べる。怖くなって吐く。
この繰り返し。
“今日は吐くまい”
毎日頭にこびりついていた目標。
吐かなくても怖い。
吐いても罪悪感。
泣きながら吐くのだ。叫びのように。
時にはこの辛さから解放されたい、死にたいとまで思って
ただスタイルを維持したい。堂々と服着て足出して歩きたい。
つまらない意地を張り続けて。
でも結局それは自己満足にすぎない。
周りから見たら、痛々しいくらい足の細い人
表情と体型が合っていない人形みたいな人
いつまでこの地獄が続くのか
ずっと悩んで社会人になって
はっきりとした理由は覚えていないけど
時間が解決してくれた。
最後は “時間” だった。
今でも私は食が細い。
でも普通に食べるし吐くことはない。
この前実家に帰った時、父のラーメンを久しぶりに食べた。
完食できなくてごめん、おとーちゃん。
察した父が先に「食べきれなかったら残せな」と言ってくれたけど
それがまた申し訳なかった。
でももし、同じ摂食障害の人から相談されたら、私はこう答えると思う。
吐いてもいいよ。自分の気持ちに正直に行動しましょう。毎日葛藤して、疲れて、でも生きましょう。
痛々しいと思われようが笑顔でいましょう。今の自分を背負って堂々と歩きましょう。
きっと理屈じゃわからない人の辛さをわかってあげられる人になるから。
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